二重サッシ・内窓・二重窓 徹底比較

二重サッシ・内窓・二重窓の徹底分析・比較

 二重サッシ・内窓・二重窓などと呼ばれるインナーサッシの工事を検討する場合、費用対効果を見極めて商品を選択することはお客様にとっては最大の重要ポイントです。
 一部の工務店、工事店、販売店のホームページでは、十分な検証や根拠がないにもかかわらず、自分が取り扱っている特定のメーカーのインナーサッシが他メーカーのものよりも優性であると誤認させる内容も数多く見られ、困惑している方がたくさんいると思われます。
 インターネット上の書き込みでも、どのメーカーのインナーサッシが効果が高いのか、価格が安いのはどれかなどなど、侃々諤々と議論されているのを目にしますが、どれも明確な答えには辿り着かないないまま書き込みが終了しています。
 実際、弊社にもお客様からどのメーカーのインナーサッシが良いのか、よくご質問をいただきます。
 そこで代表的なメーカーのインナーサッシについて、いかに気密性が向上するように創意工夫されているか、パーツごとに二重サッシ比較内窓比較二重窓比較・分析をしてみました。
 なお、これからご紹介する比較結果は、正確な採寸的確なサイズ確定確実な取り付け適正なクレセントと建付調整がされていることを大前提としております。
 中には、特定のメーカーの商品をコケおろすような書き込みもありますが、そういうケースは商品自体の欠陥というよりも、サイズや施工に問題があったとしか考えられません。高い代金を支払ったお客様の立場からすると、同じ商品なのに取付け方に差が出ることは許されないことです。しかし人間のする工事ですから、わずかな確率であれ、失敗やミスをすることもあるでしょう。大切なのはその後の対応です。商品に問題があればメーカーはお客様が納得できるまで丁寧に説明すべきですし、販売店・工事店は速やかに施工上問題がなかったのか現場に伺って確認して、問題点があれば素直に認めてお詫びして手直してあげるべきです。
 お客様の怒りの鉾先の大部分は、メーカーや施工店・販売店の対応の仕方や態度の悪さにあるのではないでしょうか。

比較対象インナーサッシ(二重サッシ・内窓・二重窓)

 二重サッシ比較内窓比較二重窓比較の対象となるインナーサッシは、ガラスを使用する日本メーカーの商品に限定し、大信工業プラストサッシ、YKKapプラマードU、トステムインプラス、三協立山アルミプラメイクE、旭硝子窓窓、不二サッシインプラードUの6つです(新日軽のリクラスはH22.10.末で販売終了となりました)。
 比較条件は既存の窓が単板5mmガラスのサッシの場合で、取り付けるインナーサッシが2枚引違い5mm厚ガラス仕様の場合としました(旭硝子の窓窓だけ6.8mm防犯ガラス)。
 本来であれば、同一環境で性能値試験を行えば数値で違いがわかるのですが、性能値(遮音性能・断熱性能・気密性能)はメーカー発表の性能等級を掲載いたしました。

※ 写真をクリックすると拡大表示されます。
メーカー 大信工業 YKKap トステム 三協立山アルミ 旭硝子 不二サッシ
商品名 プラストサッシ プラマードU インプラス プラメイクE 窓窓 インプラードU
防音性能*1 T−4 T−4 T−4 T−4 T−4 T−4
断熱性能
(熱貫
流率)
*1
H−4
(2.8w/u・k
*2
H−4
( 2.91w/u・k
H−4
(2.91w/u・k
H−4
(2.91w/u・k
H−4
(2.8w/u・k)
*3
H−4
0.344uk/W
気密性能 A−4 A−4 A−4 A−4 A−4 A−4
取付
必要幅
腰窓:5.3cm
掃出窓:7.8cm
7.3cm 6.7cm 腰窓:5.6cm
掃出窓:7.6cm
6.4cm 腰窓:5.6cm
掃出窓:7.6cm
最小
サイズ
W×H
55cm
×
40cm
70.7cm
×
25cm
57.3cm
×
25.8cm
55cm
×
40cm
43.2cm
×
32.5cm
55.8cm
×
24.1cm
最大
サイズ
W×H
2.7m
×
2.3m
3m×2.4m
2.6m×2.45m
3m×2.16m
2.7m
×
2.22m
3m×2.3m
2.1m×2.5m
3m
×
2m20cm
縦枠
形状
未入手
上枠
形状
未入手
上枠
中央
気密材
なし
なし
(障子部材に付
いているため)
未入手
下枠
レール形状
未入手
下枠
中央
気密材
未入手
障子
上枠
形状
未入手
障子上框芯材 なし アルミ
19×24.8
なし なし アルミ なし
障子下框芯材 アルミ アルミ 18.8×24.8 アルミ 17*26.5 アルミ 15.8*24 アルミ アルミ 14*20
障子縦框外寸
幅:36
幅:36.5
幅:38
幅:36
幅:26
未入手

幅:30
中央部
召し合わせ
未入手
障子縦框芯材 なし アルミ 19.2×21.7 スチール 19*22.9 なし
(H600以上は
アルミ芯材入)
アルミ
形状複雑
スチール 16.5*20
戸車
形状
車径:20φ
車幅:7.5
車径:20φ
車幅:7.5
車径:
車幅:
車経:20φ
車幅:7
車経:24φ
車幅:7
未入手
車経:20φ
車幅:7
戸車高調整限度 準備中 3.3 4.5 4.6 3.5 不明
ガラス厚
(単板)
3〜12.8mm 3〜6.8mm 3〜6.8mm 3〜6.8mm 6.8mm 3〜5mm
クレセント
(鍵)
(オプション)
(オプション)
標準仕様
(表示錠)
1色
補助
ロック
なし
防犯ガラス仕様のみ
なし なし
なし
外れ
止め
なし なし あり
準備中
なし
なし
アイボリー
木目調
ヒーリンググレー
ホワイト
木目クリア
木目ナチュラル
ミディアムオーク
色見本ホワイトホワイト
色見本ミルキーベージュライトグレー
色見本ライトウッドライトウッド
色見本ニュートラルウッドニュートラルウッド
色見本ショコラーデキャラメルウッド
色見本ライドグレー
ショコラーデ
色見本ホワイトホワイト
色見本イエローマーブルイエローマーブル
色見本ナチュラルバーチナチュラルバーチ
色見本ダークダーク
ホワイト
柾目
ハーモニック
ウッド
ヨーロピアン
オーク
室内外で色が違
い室外はアルミ素材
ホワイトュ
イエローマーブル
ホワイト色の色比較
(上からプラスト、プラマード、インプラス、プラメイク、窓窓、リクラス)
*現在リクラスは製造されておりません。
未入手
窓の種類 引違い窓
(2・3・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
引違い窓
(2・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
引違い窓
(2・3・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
引違い窓
(2・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
引違い窓
(2・3・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
引違い窓
(2・4枚建)
FIX窓
開き窓・ドア
ふかし枠
(拡大図ページ)
2.5cm
4cm
6.5cm
2.5cm
4cm
7cm
FIX窓に7cmは不可
2cm
4cm
5cm
7cm
2.8cm
4.5cm
2.5cm
5.1cm
2.5cm
4cm
設定
価格
テラス:W1.7m
H1.8m
窓:W1.7m
H90cm
テラス:\63,300
窓:\50,400
3mmガラス代込み
テラス:\80,900
窓:37,800
3mmガラス代込み
テラス:¥55,000
窓:\26,800
※4 ガラス代別
テラス:\51,600
窓:\23,100
※4 ガラス代別
テラス:¥83,200
窓:¥51,400
FL3/A6/FL3の
ペアガラス代込
テラス:\57,000
窓:\30,000,
※4 ガラス代別
連窓方立
(中間柱)
*5
60×85
60× 60

70× 91.5
41×90 52×70 85×85 50.8×84 70×70
L型窓
コーナー柱
60×85
60×60
85×85 72×70 85×85 なし なし
段窓
無目
60×85
60×60
85×85 72×70 85×85 63×84.6 70×70
オプション クレセント
換気窓
和障子格子
間仕切り下枠
中桟
化粧額縁
暗証番号付クレセント

掃出しアタッチメント
和障子格子
間仕切り下枠
中桟

取っ手
和障子格子
化粧額縁
和障子格子
掃出しアタッチメント
和障子格子
間仕切り下枠
化粧額縁
組立施工性     ×
・組立部品数がかなり多い

複層ガラス用だけグレチャンレス*6

グレチャンレス
     △
・部品数が若干多い
・クレセントが後付け

グレチャンレス
取付施工性
標準施工の場合
     △
縦枠がタッカー止め(建築用ホッチキス)のため、墨出しと一打目が肝腎
     ○
下枠取付けビスにコーキングワッシャーを通さなければならいない
     ○
レールがアルミなのでしなりにくく、横幅が狭い場合は下枠のセッティングがしにくい
ガラスの納まり グレチャンレス    巻きビート
(1セットずつ同梱されてくる)
   巻きビート
(複層ガラス仕様はグレチャンレス)
グレチャンレス グレチャンレス グレチャンレス
優位点 3枚引違い窓可能

単板ガラスの厚みを12mmにできる(防音対策に最適)

高さ1m36cmまで取付幅が53mmで最小。

気密部材が最多

障子の重なり合う框が煙り返しになってかみ合い気密が一番高い最大の理由の一つ

平レール平戸車なので重量に一番強く、踏んでも痛くない

色褪せに一番強い
縦枠に閉め込み部材があり、気密性保持に一役かっている(内障子だけなのが残念)

テラスサイズは引手付が標準仕様なので開閉しやすい。
3枚引違い窓可能

色の選択肢が多い

方立(柱部材)の取付幅が小さく、一番実用的

静電気によるヨゴレの付着が少ない(ダストバリア)

FIX窓と開き窓で枠にパッキンがついているのはインプラスだけで非常に評価が高い

FIX窓の取っ手が外せる仕様
小さい窓では障子の重量が一番が軽い 3枚引違い窓可能

サブロックが標準装備のため、防犯性能が一番高い

既存窓の色がシルバー系であれば、室外から見た場合に一番違和感がない
未調査
劣後点 取付枠にパッキン材が付いていない(弊社ではシーリングの打設が必要と判断し標準施工)

引違い窓の障子の重なる部分の上下に目で見える隙間を気密材で塞ぐ必要あり

色の種類が少ない

商品価格が高い

取付必要幅が大きく、ふかし枠が必要となるケースが多い
取付必要幅が大きめ テラスサイズの取っ手が小さく開閉しにくい

不要な部品が多い(外れ止め、コーキングワッシャー)
窓サイズは障子の縦の部材に芯材が入っていないため、サイズによって強度が心配 必要なくてもガラスはペアガラスか防犯ガラスしか選択できないため、ガラス代の分だけ価格が高くなる

防音目的でも防犯ガラスとなってしまい、防音ガラスを選択できないのが理解不能

レールのアルミ部に結露の報告有り

不要な部品あり(外れ止め)
未調査

*1 「熱貫流率」とは、内外の温度差を1度に設定し、1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値をいいます。 数値が少ないほど断熱性能が高くなります。性能試験は、各メーカーにより既存窓のガラスとインナーサッシのガラスの間隔が一律に設定されておらず、下記の表の通りとなります。
【メーカー発表の性能値環境】
既存窓と取付ける内窓との距離
(中間空気層の幅)
プラストサッシ プラマードU インプラス プラメイクE 窓窓 インプラードU
10.65cm 8.4cm 8cm 9cm 8cm 8cm
*2ガラスとガラスの間隔が広ければ広いほど遮音と断熱の性能値は良くなります。プラストサッシは性能値試験で既存サッシとの間隔(空気層)が10.65cmとなっており、熱貫流率が2.8w/u・kですが、他社と同じ8cm〜9cmにした場合は熱貫流率の値は悪くなると考えらます。逆に遮音等級でみるとT-4ですが、中間空気層を18.5cmにすると音性能はT−5となります。これはどのメーカーのインナーサッシでも同じことがいえます。
*3窓窓の熱貫流率が2.8w/u・kとなっておりますが、防犯ガラスは通常の板ガラスよりも熱貫流率の値が低いため、実験データで他社メーカーよりも熱貫流率が低くなっていると言えます。他社のインナーサッシと同じように通常のガラスを使用した実験では、他社と同じだといえます。
*4 透明5mmのガラス代は工事店・工務店・ガラス店により金額に幅がありますが、1セット(ガラス2枚)あたりテラスタイプで¥5,000〜10,000円、窓タイプで¥3,000円〜7,000円くらいが目安です(弊社の場合は無料)。
*5 正面から見て見える部材のサイズで、化粧カバーが付く場合は、化粧カバーの外経寸法です。
*6 グレチャンとは、ガラスを巻くゴムのことです。ガスケットとも言います。
*7 データは平成21年8月現在のものです。

内窓・二重サッシ・二重窓の比較 総括

【内窓の気密性能比較】

 内窓の構造を見ると、どのメーカーも気密性を向上させるため、気密材に工夫を凝らしており、比較しても内窓の気密性自体に大差はないと判断します。
 数値上ではメーカーの実験データの環境基準が異なるため、一概には判断できませんが、窓枠が多少でも歪んでいると建付調整が必要になりますが、施工後のことも考慮すると構造上プラストが優位と判断します。
 あえて性能値に影響がでる効果的と思われる部材や構造をあげるなら、プラストサッシの障子の重なり合う中央部の「けむり返し」、上枠内部の構造(スポンジ)、プラマードの戸当りの「引込み部材」、窓窓の障子上のモヘアです。ただし、モヘヤは開閉の繰り返しで抜け落ちるため、使用頻度が高い場合は窓窓の障子についているモヘアも効果が薄れ、かえって他社の内窓より気密が悪くなる可能性は十分あります。
引違い窓以外になりますが、インプラスはFIX窓と開き窓の取付枠の裏面にパッキンが付いているため、気密性能は他の内窓と比較して一番良いと言えます。

【内窓の防音性能比較】

 ガラスを除いた内窓単体自体が持つ防音性能は、気密性とほぼイコールです。気密性で選ぶならどのメーカーもほとんど横並びですので、あまり悩む必要はなく、価格重視で良いと思います。
 それよりも重要な要素は、内窓に使うガラスの仕様です。音の透過損失は「反射」「吸音」により決まります。反射は余程特殊なガラスでない限りは仕様が変わっても同じです。「吸音」ではガラスの仕様が大きく影響し、ガラスが厚くなればなるほど吸音率が大きく、音の透過損失も比例して大きくなり、室内に伝わる音が小さくなります。また、防音ガラスも同じ厚さではでは単板ガラスに比べて吸音率が高いのですが、周波数が中音から低い低音にかけては効果はないに等しいため、費用の無駄になる場合もあるため注意が必要です。
 各メーカーの内窓は使用するガラスの厚さが決まっており、ガラスの耐荷重の観点から、8mm厚以上のガラスを使う場合はプラストしかありません。逆にガラスが6.8mm以下であれば、商品代の高いプラストにする必要はありませんから、プラスト以外の商品という選択肢となります。

【内窓の断熱性能比較】

 断熱性能も、各メーカーの商品も樹脂(PVC=プラスチック)で覆われており、熱伝導率が非常に低いため同レベルとなります。ただ、障子枠の室外側と、レール部材の一部ににアルミを使用している窓窓だけは2本あるレールの室外側のレールが熱橋部となり、室内と空気層の温度がアルミ部の熱伝導により行き来するため、断熱性能は他メーカーと比較すると劣性であると判断します。
 また、内窓のガラスを複層ガラス仕様にすると断熱性能が2倍に向上するため、部屋の用途や方角、階層によっては複層ガラス仕様にすると良いといえます。
 ちなみに放射熱(太陽光の熱さ)はガラスの厚さに左右されず、通常の複層ガラスでも効果はないと言え、遮熱タイプの複層ガラスを使う必要があります。

【総合評価】
 結局、どこの内窓が良いか選択してからガラスの仕様を検討するのではなく、ガラスをどんな仕様にするのかで商品が決まるということになり、選択の順序が逆であることを良く理解することが大事で、内窓→ガラスの順序で商品や仕様を決めるのでは目的が達成できなかったり、費用の無駄(費用かけ過ぎや効果が足りなくてやり直し)になったりしてしまいます。
つまりは防音目的で8mm以上のガラスにする場合はプラスト、断熱目的(結露対策)、遮熱目的ではプラスト以外の内窓ということになります。
 防音目的以外の場合は、どこのメーカーにしたら良いでしょうか。多くの方がお悩みのようです。弊社では、以前はプラマードをお薦めしておりました。ほぼ同じ価格であれば見た目が美しい方が良いからです。プラマードは表面にスジがあり、他社内窓と比較すると見た目がきれいでした。
 その後、インプラスが改良され(H23年3月)、表面のテカリを抑えたマット調とし、木目もはっきりときれいになりました。また、ホコリを吸着しないよう静電気が帯電しない樹脂の配合にして汚れが着きにくくなったことから、現在はインプラスを推奨しております。
 ちなみに対抗性(紫外線や赤外線による色あせなどに対する強さ)に優れているのはプラストが一番です。耐候性(室内の湿度温度の変化等に対する強さ)ではどこも変わらないと判断します。
 よって、ガラスが8mm以上であればプラスト、6.8mm以下であればインプラスをお薦めいたします。


(参照:内窓二重サッシ二重窓性能比較対象のインナーサッシメーカーHP 商品紹介ページ)
大信工業(株)
YKK AP(株)
(株)LIXIL トステム

三協立山アルミ(株)
旭硝子(株)
不二サッシ(株)
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